オステオパシーはアメリカ医師スティル博士により、1874年に発表された長い歴史のある療法で、遠くギリシャで行われてきた「手による矯正」療法を体系化・近代化したものです。自らの体験から薬中心の医学に疑問を持った博士は、免疫力についての研究を重ねた結果
〈病気の状態は筋骨格系の異常があり、身体構造の異常が神経、血液、ホルモン機能、体液の循環を阻害し免疫力を低下し病気を作り出す。〉
との結論に達しました。1892年に最初のオステオパシー大学が設立され、1910年にはアメリカでは医学として公認されました。日本には明治の終り頃に導入され、いろいろな形で普及しましたが、主に徒弟制度の中での秘伝テクニックとして伝えられてきました。国家資格であるアメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・オーストラリアからも多くの講師が来日し、日本も先進国のレベルに追いつきつつあります。
医学として研鑽を積み重ね、解剖学、生理学、病理学等の裏付けがあり施術の進行に迷いがありません。
病気のターゲットが広範囲で体のどの分野にも適応です。
ソフトで安全な治療です、新生児、妊婦さんから高齢者まで。
オステオパシーが重要と考えるのは姿勢、職業病、外傷の異常です。
1. 姿勢の異常
関節、内臓、血管、神経に異常な圧迫を与える重力の影響を考える。
2. 職業病、習慣病
運動組織に異常な影響をもたらす伸長、荷重、荷物の持ち上げなどを考える。
3. 外傷
変位、脱臼、組織の断裂、癒着などによる影響を考える。
構造の異常が身体機能に影響を及ぼす原因
1. 神経への刺激や圧迫は、神経の伝達機能を増加させたり減少させる栄養障害を起こすことにもなる。
2. 血管への刺激や圧迫は、局所の貧血や充血を引き起こす。
3. 内臓への異常圧迫や伸長は、内臓機能障害を引き起こす。
4. 骨への異常圧迫は、硬化症や変形を引き起こし、骨組織の内部構造を変化させる。
5. 関節への異常テコ作用は、靭帯の機能低下、断裂、軟骨損傷、滑膜障害を引き起こす。
6. 筋肉への異常刺激は筋肉の増殖や萎縮を引き起こす。
7. 皮膚や結合組織への異常圧迫は、それらの肥厚や萎縮を引き起こす。
この構造的異常を正常に戻すための方法がオステオパシー療法です。
単に骨、靭帯等の単一の問題が体全体に影響を及ぼします。
体にやさしい押圧、牽引、摩擦法の手技療法で、無痛、安全、着実に体の狂った機能を矯正し正常に戻します。そこで、人間が本来備えている免疫機能を回復させ、体の自然治癒力を存分に働かせる事が出来るようになります。
特に当院では、バイオダイナミクスと言う手法を取り入れています。先人が臨床の体験から体の液体部分の様々なレートを触診で診て行く事で普段は感じられない体の動き、状態に気づいていました。その文献と臨床体験からジム・ジェラス医師が確立した手法です。
身体の液体部分や身体を取り巻く外側のフィールドにも焦点を合わせ診ていきます。体は部分に分かれずに一つで自然界と調和している状態です。本来生き物は胸郭呼吸と脳脊髄液の呼吸と自然界の呼吸が一緒に動く事で自分自身を認識し代謝がきちんと働きます。(呼吸とは:生体が生命を維持するために必要な酸素を生体内や組織内に取り入れ、利用して代謝を行い、代謝の結果生じた炭酸ガスを生体外、組織外に排出する機能を言います。外界との空気と血液との間のガス交換を外呼吸(肺呼吸)、血液と細胞との間のガス交換を内呼吸(組織呼吸)と言う。結果として筋収縮、能動輸送、蛋白質の生合成などのエネルギーとして利用される。)6歳を過ぎた頃から別々に動いている人がとても多いです。生き物は息吹を与えられ呼吸をして人生をスタートしていますが、本来の呼吸をする事が非常に大事です。バイオダイナミクスはこれらをとても大事にしています。術者の技量、態度、状態、感覚、気付き、成熟が問われ、問題がある所で、患者さん自身の自然治癒力で既に治療が始まっている所に微細な的確なチューニングが行われます。術者の支点なしでは問題はすぐに変わりません。例えば、枯渇した骨や場所を見つけ脳脊髄液を本来あるべきところに導き流し入れる事により骨や組織に潤いを与え、免疫や代謝の働きを促します。内臓が疲れていると本来の解剖とは違う機能の解剖がおかしな形で術者に見せてくれ、的確な判断で見守るとしばらくするとおかしな状態は消えて、完璧な解剖を見せてくれ、一つの体となって調和されると施術はおしまいです。心地よい眠りの後の爽快感は格別でストレスが軽減され驚くべき様々な症状が改善されます。今まで に良い結果が得られない問題まで解消されます。